「前意識」を活用して、暮らしを切り替えよう。

感覚をこらしながら小さな秋をみつけていた初秋から、季節はだんだんと巡り、すっかり秋めいてきましたね。街中をお散歩していると、ふわんと金木犀の香りがただよってきます。

秋分は転換点

 

昼と夜の長さが転じて、夜の時間が長くなる境目が秋分。太陽の陽射しの下で生きている私たちにとって、日照時間が変わる転換点である秋分は地球上に住んでいる、誰にとっても大きな「節目」の地点であると捉えています。

何事にも物事にはタイミングがあります。

このような暦の切り替え地点に自分の暮らし方、こころの中、お部屋などをいつも以上に整理することを心がけると合理的なんですね。

同じ物事をするのでも、自分に10の効果があるときに行うのと100の効果があるときに行うのであれば、誰しも後者のほうがよいと思うのではないでしょうか。

私はといえば、この数日間普段は掃除しない部分の掃除をしていました。

また、数年間持ち物を減らすことを心がけてはいますが、自分自身の外的変化や活動の量が大きいときほど、自分の趣向もスピーディーに移り変わっていくため、物がついつい増えてしまうことも。そこで、さらなる物の整理をしていました。

とはいえ、物の整理が苦手という方もいらっしゃるかもしれません。そのような方に向けて、整理をするときに、少し知っておくとよりよいと思うのが「前意識」です。

 

前意識とは?

 

よく聞く話ではありますが、自分が意識して行っていると思っている行動であっても、実は無意識の領域にある習慣や思い込みなどに良くも悪くも縛られている、といわれています。氷山の例えで、意識している部分(=海の上に出ていて認識できる部分)は全体の10%以下で、普段認識できない無意識がそのほとんど(90%)をしめるとも言われています。

 

今回、特にご説明したいのは前意識です。

前意識とは氷山の例でいえば、水面のあたり。時たま海上から顔をだすこともありますが、海の下で眠っているときもある部分です。

私たちは日常を生きるうえで、五感からさまざまな情報を受け取っていますが、認識していない情報(=失認している情報)があります。たとえば、今あなたがスマホでこの記事を読んでいるとした場合、記事に意識は集中していますが、もしかしたらBGMがかかっているかもしれない。窓の外で車が走りさる音が聞こえているかもしれない。カフェで隣に座っている人の話が“聞こえている”かもしれない。

ですが、ふと何かのきっかけで記事から意識がそれたときに、それらの失認している情報は聞こえてきます。

『相手に届き、自分を変える 心を動かす「声」になる』山﨑広子 大和書房 を参考に著者要約

 

そして、ここからは私の見解ですが、失認している情報であっても、私たちはその情報や感覚に非常に影響を受けています。心地よい川の流れる音を聞くのと喧騒のがやがやの中で仕事をするのとでは、前意識~無意識下のストレスが異なるだろうと容易に想像がつくはずです。

お片づけについても、同じようなことがいえると思いませんか?
私たちは、自分の家で暮らしていても、暮らしの中で失認していることが非常にたくさんあります。その失認を認識して、整えていくと、いつも以上に暮らしの質を上げることができるようになります。

例えば、私は最近台ふきんを買い替えました。以前の台ふきんには柄物で、少しかわいらしいものでした。自分の中では生活に彩りを入れる目的で、柄物を活用していたのですが、あるとき、その「柄」がむしろ自分にはストレスになっているということに気がついたのです。そして、台ふきんを無地にしたことで、空間が整うと、お花を飾りたいと自然に感じたんですね。

つまり、自分の中にある、かわいらしさや女性らしさが、台ふきんの柄から自然のお花に切り替わったということです。

そのようにして、普段は意識に上っていませんが、実は違和感を感じていたものを発見できると、さまざまな面において暮らしと人生の質を向上させることができます。

もし、「前意識なんて難しい!」と感じられる方がいらっしゃれば、他人に見ていただくか、お写真にとってみると、客観的に見ることができるのではないでしょうか。

ぜひ、「前意識」を活用した整理を試してみてくださいね。

 

季節のお便り

【秋分】
昼と夜の長さが、ほとんど同じになる日。彼岸花の鮮やかな赤に、秋のお彼岸の訪れを感じます。

【雷乃声収(かみなりすなわちこえをおさむ)】
夏の暑さの合間に、ざぁーと降る雨とともに聞こえていた雷。
秋に季節を進めるとすっかり雷の声が聞こえなくなってきます。

【蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)】
秋の訪れを知らせていた虫の鳴き声。
寒さが深まっていくと、虫たちは土へと潜り、冬支度を始めます。

【水始涸(みずはじめてかる)】
いよいよ一年の実りである、稲の収穫の時期を迎えます。
稲穂が実ると水は必要がなくなるため、収穫前のこの時期に、水田の水を抜くのです。