魂のルーツにふれる、お盆を過ごそう。

 

 

帰省ラッシュでニュースが賑やかになる時期。「60kmの渋滞!」というような記事を目にすると、すごく大きな人の移動が起きていることが伝わってきますよね。

 

普段の仕事で忙しくしていると、「お盆」=「お休みの日」というイメージを持たれる方が多いですが、そもそものお盆は“魂のお祭り”です。

 

そもそもお盆とは

 

お盆とは、祖霊や精霊、一足先に旅立った大切な人たちの魂を「迎え、慰め、送る」という一連の行事をいいます。

 

火を焚いてご先祖さまをお迎えするのが、旧暦の7月13日です。そして、旧暦を用いていた時代、必ず満月であった15日。幻想的な月明かりの下で盆踊りを行っていました。つまり盆踊りとは、生きているものたちが音頭をとって、精霊たちと一緒に楽しんで踊って過ごすことなのです。そして、16日に送り火を焚き、川や海に灯篭や船を流すことで、先祖の霊を黄泉の国へと送り届けます。

 

旧暦を現代の暦に変換する際に、7月にお盆を迎えるとした地域もありますが、世間一般的には8月13−15日がお盆として定着していますね。

 

日本人の元々の死生観と現代の死生観

 

昔から私たち日本人は、お盆の時期に、祖父母や曽祖父母と触れ合ったり、存命でない場合は両親や親戚が近しいご先祖さまに関する話を耳にしてきました。そのような近しいご先祖さまから、より遠い、自分が知りもしない祖先へと想いを向けていく。私たちはお盆の風習を通して、幼少期からいのちの連なりと死に触れていました。

 

そして、「お盆の時期にはご先祖さまへ祈りを届ける」ということが、文化として織り込まれている。自分が死んだ後も、自分たちの子孫が死後も祈ってくれるのだろうなと感じられます。

 

一方で、お盆どころかお墓参りすら行かない方も多いと最近目にして驚いてしまいました。それは、いのちの連なりとしての死ではなく、死が個人的なものになっているからではないでしょうか。個人的な出来事になってしまったからこそ、大切な人の死も自分自身の死もまっすぐに受け止めることが難しくなっていると感じます。

 

はたして、そのような死生観で、私たちは安心して生きることが出来るのだろうか?と思うのです。

 

今っぽい、お盆の迎え方

 

現代ではお盆をもともとの魂祭(たままつり)として過ごす方は少ないかもしれません。ですが、ご先祖さまやわたしたちの今のいのちを感じるために、今年は少しだけでもお盆らしく過ごしてみませんか?

 

例えば、キュウリ馬やなす馬の話を耳にしたことはみなさまあるのではないでしょうか。迎える時にご先祖さまに対して「急いで帰ってきてください」ときゅうり馬をつくり 、「ゆっくりお帰りください」という想いを込めて、お帰りの際になす馬をつくる風習があります。

 

割り箸や竹串などでつくってみてもいいですね

 

あるいは、お線香やお香を用意してみる。お花やキャンドルをご先祖様に思いを馳せながら選び、お供えしてみるだけでもいいのではないでしょうか。

お香 Lisn http://www.lisn.co.jp

和ろうそく大與 http://warousokudaiyo.com

 

お花には、桔梗やほおずきを入れると盆花らしくなりますね。

 

 

あなたの魂のルーツにふれる。そんなお盆をお過ごしいただけますように祈りをこめて。

それでは、立秋・次候記事はここまでとさせていただきます。

 

<季節のお便り>

【二十四節気:立秋(りっしゅう)】

秋の気配が漂いはじめる頃。空の高さ、雲のかたち。蜩の声の大きさ。小さな小さな秋の兆しを探して見てくださいね。

【七十二候:寒蝉鳴く(ひぐらしなく)】

夏の終わりを告げるかのように、ひっそりと鳴く蝉。ひぐらしだけでなく、ツクツクボウシの声も聞こえて来る頃。日がくれた後には、蝉以外の虫の鳴き声も。秋が近づいてきます。

 

参考文献

『七十二候で楽しむ日本の暮らし』広田千悦子 角川ソフィア文庫/『二十四節気と七十二候の季節手帖』山下景子 成美堂出版/『七十二候のゆうるり歳時記手帖』森乃おと 雷鳥社/『くらしを楽しむ七十二候』広田千悦子 光文社知恵の森文庫/『お盆の話』法蔵館 蒲池勢至/ 鳩居堂の歳時記 /『季節の中の神々―歳時記民族考』小池淳一 春秋社