「睦月鍋~ゴロゴロつくねの旨味鍋~」
師も走るような忙しない十二月が過ぎ去ると、新年の挨拶で人に会うことが増えます。
人と会い仲睦まじくなることから一月を睦月と言うそうです。
因みに二月は着物を更に重ね着するくらい寒い季節ということから如月と言う
そうです。
そしていよいよ草木が生い茂ることから三月を弥生(いやおい)と呼ぶそうです。
寒い時こそ生い茂る春を思い新しい年を喜びで過ごしたくなります。
そしてこの冬の季節に最も仲睦まじく召し上がられる食事はやはり鍋料理ではないでしょうか。
仲良く箸と会話を交わしながら、お肉や魚はもちろん冬に不足しがちな野菜をたくさん摂りましょう。
寒さを乗り越える暖かさと仲睦まじくなる温かさが最も寒い如月に立ち向かう原動力となります。
今回は旨味をたくさん含んだ大きなつくねの鍋を作ります。
ポイントはつくねの旨味が多いので特別に出汁を取る必要がなく、溶け出した旨味を利用することです。
旨味にもいくつか種類があります。
旨味を組合わせた肉団子を茹でるだけで美味しいスープが出来上がりますので焦らずにお作りください。
まずは具材の準備です。
オーソドックスな鍋野菜を揃えましょう。白菜、水菜、蕪、椎茸、エノキダケ、長ネギをご用意ください。
〆の雑炊の為に卵とたくあんもご用意ください。
その雑炊にシラスをかけて召し上がると美味しいですよ。
野菜を切って準備が出来たらメイン食材の鶏つくねにかかりましょう。
鶏ミンチと合わせる旨味をたっぷり含んだ食材は
長ネギの青い部分、椎茸の軸、エノキダケの軸、たくあん、シラス、卵です。
つまりフードロスを減らしながら旨味を最大限に活用しようという魂胆です。
これらの食材と昆布茶、醤油、少しの牛乳を加えフードプロセッサーにかけます。
旨味の素の完成です。
この旨味の素にパン粉を加えしっかりまとめます。
鶏ミンチと旨味の素を2:1の割合でゴムべらでよく混ぜ合わせます。
土鍋に水と蕪を入れ火にかけます。
沸騰すれば弱火にし蕪と同じくらい大きな鶏つくねを入れましょう。
コトコト10分炊き野菜と柚子を入れさらに5分煮立てたら味付けします。
味付けは醤油のみで大丈夫です。
さあみんなで温かい鍋を囲んで仲睦まじく召し上がってください。
大きいつくねを割ったら旨味が溢れだしさらに出汁は美味しくなります。
食べていただければシラスを入れた意味がお分かりいただけると思います。
イワシの旨味にキノコのグアニル酸、野菜や昆布のグルタミン酸が鶏肉のイノシン酸と合わさるととかの話は置いといてどんどん食べてください。
つくねの大きさにも仕掛けがあります。
つくねの外側の旨味は流れ出て出汁を美味しくしますが内側にはたっぷり旨味が残っているので内と外の味の違いを楽しんでください。
それともう一つは蓋を開けた時の驚きが会話になれば幸いです。
暖冬とは言え北風が三輪山の山肌を揺らします。
子供は風の子で寒いほど外で遊びたがります。
山道を駆け抜けて大神神社に参拝します。
慌ててやりたかったことは低頭するお父さんお母さんに紙垂を振ることでした。
今年も家内安全で仲睦まじく過ごせますように、小さい神主さんにご祈祷賜りましたよ。