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2019-10-30

秋の味覚をほんのり温かくして頂こう。

あまり晴天を見させなかった十月の空。
憂鬱を誘う気候に抗うにはやはり秋の味覚が一番のおすすめです。

栗、柿、サツマイモ、松茸に秋刀魚。
新米、ぶどう、南瓜に秋鮭。

思い浮かべるだけでも鬱から抜け出せそうになるのは食いしん坊の私だけでしょうか。
何はともあれ、こんなに食材が豊富なのに一種類でお腹を満たすのはあまりにも味気ないと思います。

とはいえ、それぞれの食材をひとつひとつ味付けしていてはお腹が持ちません。

ですから、和食を代表するディップソース、「白和え衣」であっさりした甘さの秋の味覚をいただきます。

白和えと聞くと、冷たい食べ物というイメージですが、今回ご提案させていただくレシピのポイントは白和えがほんのり温かいことです。
なぜ温めるかというとその狙いは二つあります。

ひとつめは、豆腐の美味しさの本質である甘さを引き出すために、豆腐の甘さを最も味わうことができる50度に温めるのです。冷たい白和えではなくほんのり温かいことで一緒にふたつめは、冷たい白和えではなくほんのり温かいことで一緒に召し上がる食材にも甘さと温度を与えより口福感を得ようというのが狙いです。

今回白和えに合わせたい食材はサツマイモ、銀杏、クリームチーズ、柿、ピオーネ、カシューナッツ、レーズン、インゲン豆、トマト。

これらに限らずお好きなものをご用意してください。
野菜に限らずコッテリ味付けした鳥の照り焼きを白和え衣で優しく味わうのもおすすめですし、コハク酸という旨味成分を多く含む貝類も豆腐によく合います。

今回の食材で調理するのはサツマイモとインゲン豆と缶の銀杏です。
それらの調理の前に豆腐半丁を鍋に入れ水をはり沸騰しないように弱火にかけておきましょう。

サツマイモは一口大に切り、ほんのり塩を入れ水からゆでます。

インゲン豆は全体に塩を揉み込みしっかりやわらかくなるまでゆでます。

銀杏はふっくらするまで下ゆでします。

ピオーネとトマトは半分に切り、柿とクリームチーズは一口大に切っておきます。

サツマイモと柿と銀杏が茹で上がったら豆腐をザルに上げキッチンペーパーを被せて軽く水分を取っておきます。

ディップソースを入れる器をお皿に置き秋の味覚をきれいに盛り付けましょう。

そして仕上げに取りかかります。
ほんのり温かい豆腐をフードプロセッサーに入れます。
練りゴマティースプーン2杯、砂糖ティースプーン1杯塩をほんのひとつまみと共にミキシングします。

滑らかになれば止めましょう。

ディップの器に白和え衣をいれれば秋らしい前菜の完成です。

銀杏はクリームチーズと一緒に召し上がるのがおすすめです。

素朴ながら華やかで贅沢な前菜は秋の夜長にゆっくり味わいたい一品です。

雨が上がるのを待ちながらゆっくり楽しむ秋の食卓。

そんな時間も束の間で、食卓の脇から出てきたのは紅葉のような小さい手。
ぶどうが好きな息子はその紅葉でピオーネを奪いさります。
躾と称して負けじとぶどう好きな父親は紅葉な息子を追いかけます。

捕まればこちょこちょされることを知っているから必死で逃げます。
まるでトムとジェリーのやり取りのような結末は想像に難くなく妻にふたり揃って叱られるのでした。

秋の夜長を楽しむことはとても難しかったのです。

河向直樹

1978年奈良県出身。2005年より「山辺の道 花もり」という喫茶店を奈良県桜井市で夫婦で営んでいます。神話が好きで料理が好き。大神神社にある様々なミステリーを勝手に謎解きしながら日々仕込みをしています。今一番気になっていることはは大神神社の摂社である「神坐日向神社」が北向きに建てられている謎です。三輪はどれだけ住んでも飽きない場所です。

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